伊藤若冲と琳派の世界


開催中の相国寺承天閣美術館の『 伊藤若冲と琳派の世界 京都が生んだ異才若冲と華麗なる琳派の絵師達』に行ってきました。
今年は 伊藤若冲(1716ー1800)生誕(数え)300年、琳派の創始者とされる本阿弥光悦が洛北鷹峯に芸術村を築いて(1615)満400年です。
伊藤若冲は京都錦の青物問屋「桝源」の跡取り。光悦は刀剣の鑑定、研ぎを生業としていました。尾形光琳・乾山は呉服商「雁金屋」の次男、三男として生まれました。
こう書くと坊ちゃんの道楽かぁと思いましたが、若冲は隠居後も帯屋町の町年寄(町役人の上役)を勤め、錦高倉市場が危機の時は市場再開に奔走していたりと、創作活動以外でも活躍されていました。
光琳は相続した莫大な財産を湯水のように使い果たし、すでに活躍していた弟の乾山にも借金したり…とやっぱり道楽もんかぁ[:汗:]
でもでも芸術家としての誇りや自尊心は持ち続けていました。

第一展示室には本阿弥光悦、尾形光琳、俵屋宗達、鈴木其一、酒井抱一らの絵画が展示されています。
工芸品では光悦の赤楽茶碗 加賀の他、尾形乾山の色絵龍田川透かし鉢 他、琳派の名品などが展示されています。乾山の作品はかわいらしい感じがします。

そして特別企画の俵屋宗達の『蔦の細道屏風』。
伊勢物語の最後の一場面、業平東下りを描いた作品です。この東下りは業平が京都を追われたときの様子を描写したものとされています。
人びとがさまざまな思いを胸に通りすぎてゆく峠の細道が描かれています。
巧妙な構図ですね。左隻と右隻並べ替えても絵がぴったり合います。
横にどんどん並べていったら蔦の細道がエンドレスで続く…パターン!?
これは物語の人たちの寂しいとか、わびしいとか、恋しいとかの心情を表しているのでしょうか?
上に書かれている和歌は現代の漫画で言うところの独白(登場人物の想いを文字にすること)みたいな感じでしょうか?
現代の意匠に螺旋階段のように受け継がれているのだなぁと思いました。
7月18日から9月23日まで右隻と左隻の入れ替え展示されます。
見比べてみると面白いですね。

ほかにも「朱衣達磨図」比べも楽しいです
尾形光琳の達磨図、光琳の達磨図を見て描いた酒井抱一、さらに抱一の達磨図を模写をした鈴木其一の達磨図。微妙に違います。

第二展示室は、伊藤若冲尽くし。
「葡萄小禽図襖絵」ぶどうにうっとりです。
「芭蕉叭々鳥図襖絵」は左の叭々鳥、すっとぼけた感じがかわいいです。

期間:?平成27年9月23日(水・祝)ただし7月13日休館 
   土足厳禁です。足下が気になる方はソックス必携です。
交通:京都市営地下鉄『今出川』下車3番出口より徒歩8分


ここはいつ観ても落ち着いた気持ちになります。

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盛隆